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黒木亮の最新作、おすすめ本を紹介!

今回は経済小説のジャンルにおいて日本を代表する作家の一人、黒木亮氏のおすすめの本を紹介します。元大手銀行員の経験を活かした国際金融を舞台にした作品が有名ですが、その他にも多くの名作があります。

次に読む本探しの参考に、ぜひご活用ください。

黒木亮氏のプロフィール

まずは、黒木亮氏のプロフィールや作品スタイルについて簡単に紹介します。

経歴

1957年北海道生まれの黒木亮氏(本名・金山雅之)は、早稲田大学法学部卒業後、カイロ・アメリカン大学大学院中東研究科で修士号を取得。銀行・証券・商社で23年にわたり勤務して、国際協調融資やプロジェクトファイナンスを担当しました。在職中に小説家としての活動をスタートし、2000年に『トップ・レフト:ウォール街の鷲を撃て』で作家デビューを果たしました。以降、金融の裏側を鋭く描いた小説や、自伝的長編『冬の喝采』など幅広いジャンルで高い評価を獲得しています。

作風

実際に起きた社会動向を反映しつつ、オリジナルの登場人物等の人間ドラマを重層的に描く作品が多いです。特に緻密な社会、企業分析によってもたらされるリアリティは他の作品ではなかなか見られないものです。

黒木亮氏の最新作・新刊情報まとめ

ここでは2025年7月時点での黒木亮氏の最新作の情報についてまとめています。

単行本ベースでの最新作であり、文庫本は含めていない点はご了承ください。

カラ売り屋シリーズ マネーモンスター(2024年4月)


カラ売り屋シリーズ マネーモンスター

元官僚の北川が率いる「カラ売り屋」、パンゲア&カンパニーを軸に物語が展開するシリーズ最新作です。液晶ディスプレイ、水素トラック、地方銀行という三つのテーマでストーリーが展開される構成となっています。

それぞれのストーリーで具体的なモデルは明言されていないものの、作中の詳細な描写からは、特定の企業が示唆されている点が興味をそそります。各ストーリーで躍動する「マネーモンスター」たちの行動は、その裏にある背景まで丁寧に掘り下げられており、一面的ではない彼らの人間的な魅力が、物語に深みと面白さを与えています。

地球行商人 味の素グリーンベレー(2023年10月発売)


地球行商人 味の素グリーンベレー

味の素社内で「グリーンベレー」という異名を持つ海外市場開拓チーム。彼らが東南アジアやアフリカなどの新興国に味の素を根付かせていく様子を描いた、心揺さぶるノンフィクション作品です。

国民性、宗教、地域特性といった壁に直面しながらも、自社の直販部隊を組織し、現地のマーケット開拓に挑む日本人たちの並々ならぬ情熱とエネルギーを感じることができます。

メイク・バンカブル! イギリス国際金融浪漫 (2023年4月)


メイク・バンカブル! イギリス国際金融浪漫 (集英社学芸単行本)

黒木氏が自身の銀行員時代の話を元に描かれている作品です。

ご自身の当時の環境や仕事ぶりが淡々と描かれている部分が多く、物語として大きな起承転結があるわけではありません。しかし、実体験に基づいているからこそ、国際金融の舞台に憧れながら自転車で営業に駆け回っていた国内の支店営業時代や、国際金融の現場で様々なトラブルに見舞われながらも着実にステップアップしていくエピソード一つひとつが非常に詳細で、読者はその世界に強く引き込まれるでしょう。

この一冊には、後述する「トップレフト」や「カラ売り屋」、「アジアの隼」といった作品の原点がふんだんに詰まっています。まずは本書を読んでみて、国際金融の世界に興味が湧いたら、関連作品をさらに読み進めてみるのも面白い読み方かもしれません。

兜町(しま)の男:清水一行と日本経済の80年(2022年9月)


兜町の男: 清水一行と日本経済の80年

「小説兜町」で有名な経済小説の大家、清水一行氏の生涯をテーマとした作品で、2022年9月に発表されています。
日本経済の大きな変化の時期を駆け抜ける同氏の人生を、ダイナミックに描いています。

「経済小説」というジャンル自体の草創期ともいえる時代が舞台となっており、黒木亮作品のファンのみならず、経済小説ファンとしては必読の一冊といえるでしょう。

【初めて読む人はこれ!】黒木亮氏のおすすめの代表作3選

トップ・レフト 都銀vs.米国投資銀行


トップ・レフト 都銀vs.米国投資銀行

黒木亮先生が一躍脚光を浴びた作品で、執筆当時はまだ海外でサラリーマンとして働きながら書き上げたそうです。

出資額や引受金額が最も多い金融機関が手に入れることができる栄誉「トップ・レフト」を目指して戦いが繰り広げられるというストーリーで、国際金融の舞台をリアルを感じることができます。

非常に有名な作品で、この本を読んで黒木亮ワールドに引き込まれた人も多いんじゃないでしょうか。

カラ売り屋


カラ売り屋 (幻冬舎文庫)

黒木亮作品では珍しいシリーズものの第一作です。

カラ売り屋というのは企業価値が実態をはるかに超えた価値がついている企業に対して空売り(株価が下がれば儲かるポジション)を仕掛け、ネガティブな評価のレポートを公表するなどして利益を追求する企業のことを指します。

ビジネスの特性上、企業価値を下げる方向で動くため、一般的に悪い印象を持たれがちなカラ売り屋のイメージを良い意味で覆す観点を読者に提供してくれます。

企業の本質的な価値とは何なのかを考えさせられ、悪い敵を倒す勧善懲悪っぽい感じのストーリーで読後感がさわやかな作品です。

気に入った方は続編にあたるザ・コストカッター (角川文庫)カラ売り屋、日本上陸 (角川書店単行本)カラ売り屋vs仮想通貨 (角川書店単行本)もおすすめです。

獅子のごとく


獅子のごとく 上 小説 投資銀行日本人パートナー (幻冬舎文庫)

世界中のエリートが集まる有数の投資銀行、ゴールドマンサックスで様々な困難を乗り越えて幹部へとのし上がっていく一人の日本人を描いた作品です。

この作品は実際にモデルがいると言われており、そのへん想像しながら読むとより面白くなるんじゃないかなと思います。

アジアの隼


アジアの隼

ベトナムを中心としたアジアを舞台に、様々なバックグランドを持つ金融マン、商社マン達がバッチバチにやりあう小説です。

1990年代のアジアビジネスシーンを描いた描写がすごくリアルで、当時の人たちの息遣いを感じることができます。

ジャンル別のおすすめ作品

エッセイ:世界をこの目で


世界をこの目で

この作品は小説ではなく、筆者が経験してきたことや考えがリアルに描写されているエッセイです。

タイトルの通り、“世界に飛び出して自分の目で色んなものを見てみろ!”

筆者のそんなメッセージを感じる作品です。

これまでの作品の舞台裏についての描写も多く、これから読む作品選びに活用することもできますし、該当の作品を読んだ後に二重で楽しむこともできます。

学生時代のエピソードや、文章術や取材術についてのエッセイなどもあり、黒木亮という作家に小説とは異なった視点から触れることのできる作品です。

まとめ

ちなみに番外編として、黒木氏自身学生時代を題材とした私小説的な位置づけの「冬の喝采 運命の箱根駅伝 上 (幻冬舎文庫)」という作品もあります。

黒木氏自身についても興味が出てきた人はこれを読んでみても面白いかもしれません。

また、読書をこれまで以上に楽しみたい人にはAmazonが提供するオーディオブック、Audible(オーディブル)の読み放題サービスもおすすめです。

オーディオブックは実際に聞いてみると予想以上に頭に入ってきますし、運動中や移動中も楽しめるので読書時間が体感的には2倍以上増えます。

今回紹介した黒木先生の本は2024年時点はありませんが、ビジネス、教養系のジャンルは現時点でも充実していますし、毎月すごいペースで増えています。

初めての方は無料体験もできるので、まずは一度試してみてはいかがでしょうか。

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